第95回全国高校サッカー選手権(12月30日から、埼玉スタジアムほか)の組み合わせ抽選会が21日、東京都内で行われ、4年ぶり5回目出場の旭川実は、同31日の1回戦で米子北(鳥取)と対戦することが決まった。4年前の2回戦ではPK戦の末に破った相手だが、富居徹雄監督(44)は「縦に速いサッカーをする良いチーム。これから対策を立てたい」と警戒感をあらわにした

 そんな米子北を、丸裸にする。今年4月に就任した川本歩央コーチ(40)は、J1新潟で7年間、反町康治監督(52)らの下で、対戦相手の分析を行った。同コーチは「相手を知ることで、自分たちが積み上げてきたものをピッチで出しやすくするのが仕事。全国大会でも分析する」と言う。

 道大会決勝では、札幌大谷の守備隊形や個人のプレーの傾向を試合前に伝授。MF伊藤は「特に助かったのはセットプレー。コーチの教えてくれた通りの動きだったので、安心してプレーできた」と、振り返る。前半に3点を奪うと、ライバルの反撃を後半の1点に抑えて逃げ切った。

 分析以外でも、川本コーチはGK小林侑太(3年)に、ハードルを横に跳んだ後、さらに遠くへ跳び、ボールを取る練習を課した。また相手のシュート数を減らすため、守備位置を前にさせた。小林は「今までなかった練習が多く、刺激になっている」と話す。

 日本屈指の情報処理能力を味方につける旭川実のMF伊藤和稀主将(3年)は「ベスト4は行きたい」と宣言。過去最高の3回戦突破と、初の埼玉スタジアム進出に挑む。【中島洋尚】

 ◆北海道勢対鳥取勢 これまで2度対戦し北海道の2勝。86回(07年)に室蘭大谷(現北海道大谷室蘭)が1回戦で境と対戦し、0-0からPK戦で勝利した。91回(12年)は旭川実が2回戦で米子北と対戦し、これも0-0からのPK勝ちだった。