元日本代表監督で、日本協会副会長の岡田武史氏(60)がオーナーを務めるFC今治(四国)は、ヴィアティン三重(全国社会人選手権3位)と対戦。3-0で下して開幕2連勝を飾り、目標のJFL昇格を決定的にした。

 岡田氏はチーフ・メソッド・オフィサー(CMO)としてベンチ入り。かつてU-17(17歳以下)日本代表を率いた吉武博文監督(57)とともに、どっしり腰掛けて戦況を見守った。冷静に努めつつも時折、席を立って吉武監督と選手交代などで意見交換。ハーフタイムにはベンチで前半戦のデータを確認した。三重には1次ラウンドで敗戦(0-3)しており、リベンジを果たすために知恵を結集した。

 2人を中心としたスタッフに率いられた今治は、初戦の鈴鹿アンリミテッドFC(全社2位)戦を2-1で制し、この日も先手を取った。前半31分、MF上村岬(25)のFKにDF中野圭(28)が頭で合わせてゴールに押し込んだ。前半終了間際には相手DFに退場者が出たため、試合を優位に進めた。後半5分には、こぼれ球を拾ったMF桑島良汰(24)が左足でシュート。DFに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。桑島は初戦で2得点しており、2戦連発の3点目をマーク。同29分には中野がPKを決めてリードを3点に広げた。2週間前に0-3で敗れた三重に、同じスコアで借りを返した。勝利の笛が鳴ると、岡田氏はコーチ、ベンチの選手と握手をかわしてロッカールームへ引きあげていった。

 今治は2連勝で単独首位に立った。午後1時30分から始まる第2試合の結果次第で、2位以内=JFL昇格が確定する。鈴鹿が三菱水島FC(全社1位)に勝てば、今治の2位以内が確定。三菱水島が鈴鹿に90分以内で勝てば、最終日に今治、三重、三菱水島が勝ち点6で並び得失点差で争う可能性があるが、三菱水島はJFL入りの成績要件を満たしても、昇格を辞退する可能性がある。そのため、今治は残る3チームのうち2位以上になった時点でJFLへの昇格が決定的になり、来季は全国リーグで新たな挑戦を始める。