浦和が先勝した。

 今季のJ1王者を争う最終決戦が、鹿島のホームから幕を開けた。年間勝ち点1位の浦和と同3位の鹿島の対戦だが、勝った方が今年の1位。浦和が10年ぶり2度目の優勝を果たすか、鹿島が7年ぶり8度目の王者に返り咲くか、決戦の火ぶたが切って落とされた。

 前半は両チームとも手堅い試合運びに終始し、0-0で折り返した。浦和が前半8分、右クロスを上げると、そのままゴールネットに飛び込んだが、飛び込んだFW興梠がオフサイドの判定を受け、ノーゴールだった。対する鹿島は28分、右CKのファーサイドにDF昌子が走り込んだが、ボールに届かなかった。前半最大のチャンスは44分の浦和。スルーパスで抜けたFW武藤が右足でシュートを放ったが、GK曽ケ端の右手1本セーブに遭い、アウェーでの先制弾とはならなかった。

 後半は、まず鹿島が好機を得た。6分、FW土居のパスを受けたMF遠藤がGKと1対1になった。しかし、利き足ではない右足で浮かそうとしたボールを、飛び出してきたGK西川にセーブされ、先制できなかった。このピンチを防いだ浦和が12分、先制に成功する。ペナルティーエリアで浮き球のパスに反応しようとした興梠が、ボールが届く前にDF西のチャージを受けて倒れる。これに家本主審が笛を吹き、PKを獲得。主将のMF阿部が、ど真ん中に右足で蹴り込んで貴重な先制ゴールを敵地で奪った。

 追う鹿島は17分、右足痛で離脱していたMF柴崎を1カ月ぶりに復帰させる。中村と代わって左サイドハーフに入ったが、持ち味の展開力を発揮できない時間が続いた。33分にはDFファン・ソッコのロングパスにFW金崎が頭を合わせたが、ゴール左に外れた。40分にも右CKに合わせてヘディングしたが、GK西川にキャッチされた。

 その後は鹿島が攻勢を強め、浦和が耐える展開になった。ロスタイムは5分。柴崎のクロスに土居が頭で合わせるなど攻めたが、枠をとらえられない。年間勝ち点1位の浦和が1点を守り切って第1戦を制した。第2戦は12月3日に浦和の本拠埼玉スタジアムで行われる。