C大阪の大熊清監督(52)が「師弟対決」を制して3年ぶりJ1復帰に導く。J1昇格プレーオフ(PO)決勝岡山戦(12月4日、金鳥スタ)に向け、29日は大阪・舞洲で練習再開。初昇格に王手をかけ勢いに乗る岡山長沢徹監督(48)は、東京の監督を務めた11年にコーチを任せ、一緒にJ2で優勝した仲。5年の歳月を経て、今度は残り1枠の昇格を巡る戦いに挑む。

 「彼(長沢監督)が引退して指導者を始めた頃から長い付き合いになる。ここまで来るのは俺ら(C大阪)は当然だが、彼ら(岡山)は大変なこと。一発勝負は運も必要。俺たちは運をつかむ力も引き寄せたい」

 PO開幕直前に連絡を取ったという。岡山はリーグ6位で初のPO進出。4位のC大阪とは選手層、クラブ力でも圧倒的な差がある。大熊監督が「頑張れよ」と言うと、長沢監督は「一緒に戦いたいですね」と返してきた。この時は、まさか決勝で顔を合わせるとは思ってもいなかった。

 来季、C大阪はOBの尹晶煥(ユン・ジョンファン)氏(43)の監督就任が内定。大熊監督にとって岡山戦はラスト采配となるが「俺のことよりも周りの人のために勝ちたい」。リーグ順位で上回っているため、引き分け以上でJ1復帰が決まる。情けは封印し勝負に徹する。【益子浩一】