Jリーグチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦、浦和-鹿島は今日3日、埼玉スタジアムで行われる。

 逆転優勝を狙う鹿島は、ボランチ柴崎岳(24)の攻撃的MF起用で2点を奪いにいく。CS決勝の第1戦(ホーム)を0-1で落とした鹿島が2日、茨城・鹿嶋市内で第2戦に向けて最終調整。2得点以上での勝利が絶対条件となるアウェー戦へ、午前9時から1時間半をセットプレーの確認やミニゲームに費やした。

 百戦錬磨の集団に気負いはなく、柴崎は笑顔で先発組に復帰した。10月22日の東京戦を最後に、右の第5中足骨を痛めて離脱。無理すれば折れる可能性もあったが、6週間かけてスタメンで帰ってきた。「非常に集中している状態。決勝のことしか考えていない」。関係者によると、前日の非公開練習では主力組の左サイドハーフ(SH)に入った。本職のボランチより1列前。よりゴールに近い位置で攻撃センスを生かす。

 第1戦は後半17分から途中出場。1点を追って左SHで起用され、約30分間で両軍最多タイ3本のシュートを放った。呼応したチームは、前半0本だったシュート数が後半だけで11本と激増。「僕の意識が伝わったのか最後は浦和(5本)を上回った。次は前半から同じことができれば。役割も、普段と違っても貢献したい」。口調は穏やかでも、先発復帰とSH出場を示唆。闘志を隠せなかった。

 敵将がペトロビッチ監督になった12年以降、浦和戦は1勝2分け8敗と分が悪い。だが、柴崎には好印象が残る。14年7月の対戦(1-1)ではゴール上段に同点弾を決め、当時J1新記録の7試合連続完封中だった相手を止めた。今年6月には初勝利。自らFW金崎の先制点をアシストし、終盤に味方が加点して2-0だった。「2点が必要でも、まず1点。流れを引き寄せれば、大きな重圧をかけられる」。逆転Vへ再現のイメージはできている。

 下克上を果たせば、09年以来7年ぶりのリーグ制覇だ。柴崎にとっては11年の入団以来、初の戴冠。勝ち切れば、常勝軍団の新時代が幕を開ける。【木下淳】