鹿島の開幕男は俺だ~。リーグ戦の開幕決勝弾を決めた20歳のFW鈴木優磨が、明日8日のクラブW杯オークランド(ニュージーランド)戦でも開幕ゴールをぶち込む。浦和とのチャンピオンシップ決勝第2戦でPKを獲得して決勝点をお膳立てしたストライカーが、世界の舞台でヒーローに名乗り出る。チームは6日、横浜市内で調整した。

 寒風吹き荒れるピッチ脇で、鈴木は熱くFW魂をぶちまけた。「前線である以上、点をとることしか意識していない。クラブW杯はJリーグ以上に世界で見てくれる人が多いと思う。楽しみで仕方ない」。この日の紅白戦では控え組ながら貪欲にゴール前に迫り「いい準備はできています」と闘志をむき出しにした。

 11月の天皇杯4回戦で右肩を痛めた影響もあって途中出場が濃厚だが、限られた時間で結果を出せることを証明してきた。高卒1年目の昨季はデビュー戦となった9月12日のG大阪戦で途中出場して初ゴール。今季も2月28日のJ1開幕戦で0-0から途中出場し、豪快なヘッドで試合を決めた。今季は31試合出場で主に「ジョーカー」の役割を担い、8得点は金崎の10得点に次ぐチーム2位。リオ五輪メンバー落選の悔しさもバネにした。新人王候補の得点力を、今大会で世界に知らしめるつもりだ。

 J1優勝決定弾となったPKは金崎に譲ったが、「陰のヒーロー」として勝利に貢献した自負はある。「とにかく勝ち続けて決勝でレアル(マドリード)とやる。セルヒオラモスとやりたい」。最強DFへの挑戦権を得るためにも、開幕弾でチームを勢いづける。【鎌田直秀】

 ◆鈴木優磨(すずき・ゆうま)1996年(平8)4月26日、千葉県銚子市生まれ。小学1年でサッカーを始め、鹿島ジュニアユースから同ユース。高3年時のJユース杯で優勝。14年に2種登録され15年にトップ昇格。強烈なヘディングはクラブ歴代最多89得点の長谷川祥之氏直伝。J1通算38試合10得点。利き足は右。181センチ、70キロ。B型。