18歳以下の日本最高峰サッカーリーグで、前代未聞の窃盗事件が起きた。高円宮杯U-18プレミアリーグ東地区の最終節が11日、各地で行われ、都内の小平グラウンドで東京U-18と対戦した青森山田のスパイク11足分などが紛失する騒ぎがあった。試合中に盗難被害に遭ったとみられ、所轄の小平署が調べている。

 10チームが争ったリーグで首位の青森山田は引き分け以上、2位の東京は勝てば優勝の大一番は、青森山田が1-0で初優勝した。高校チームとしては13年の流通経大柏(千葉)以来3年ぶりの快挙だったが、試合後にアウェーチーム用の更衣室へ戻ると、スパイク11足分とGK用グローブ2セットが消えていた。財布など現金は無事だったものの、用具の所有者名義で小平署に被害届を出し、受理された。被害額は30万円と推定される。

 U-19日本代表FW久保ら有望株が多く出場した「優勝決定戦」とあって、東京U-18の前回ホーム戦の3倍近い1100人が詰めかけていた。観戦エリアへの動線は、青森山田の使ったアウェー更衣室の前を通るようになっていた。施設側によると、使用チームが部屋の管理責任を負い、鍵を貸し出さない決まりで、施錠されていなかったという。

 同リーグ西地区優勝の広島ユースが待つ17日のチャンピオンシップ(CS)に進んだが、黒田監督は「今日、固定式スパイクを履いて、CSで取り換え式を履くはずの選手もいたが、なくなってしまった」。全国高校選手権20年連続出場を誇る強豪を率いて22年目だが「こんなこと初めて」と驚いた。選手も事情聴取のため1時間ほど足止めされた後、バスで約10時間かかる青森市へ。初優勝も足取りは重くなった。【木下淳】