新潟の三浦文丈新監督(46)の就任会見が22日、聖籠町のクラブハウスで行われた。三浦監督はコーチを務めた13、14年以来3年ぶりの新潟への復帰になる。「新潟らしさを取り戻す」と粘り強く攻守にアグレッシブなサッカーを掲げ、2年連続15位の低迷から脱出を図る。

 目指すスタイルは明確だ。「アルビらしさを取り戻したい。攻守にハードワークするサッカーを目指します」。三浦監督は再建を託された来季、攻守にアグレッシブな新潟の伝統的な戦い方をピッチで表現することを約束した。

 会見後にはさっそく、スタッフとミーティング。今季の課題、良かった部分を聞いた。それを踏まえ、来年1月11日の始動までに具体像を描く。「選手とも、一方通行にならないよう、コミュニケーションを取っていく」と対話重視でチームを形作っていく。

 新潟には特別な感情を抱いていた。13、14年のコーチ時代に手掛けた選手はMF小泉慶(21)らが主力として成長。今季はJ3長野の監督、昨季はJ2福岡のコーチを務めていた。カテゴリーが違うため、新潟の試合はテレビ中継でほとんど見ていた。「J1のレベルは高い」と再認識しながらの観戦だったが、「自分がいたときの選手が活躍することを期待していた」と応援もしていた。

 同時に「粘り強く守って速く攻める。新潟らしさが感じられなかった」と、低迷の要因も分析していた。04年から06年まで東京でプレー。選手としてJ1の新潟と対戦した経験がある。東京在籍時の対戦成績は3勝3敗。スピーディーでしぶとい新潟の試合ぶりは、その後も印象に残っていた。

 新潟から監督就任のオファーがあったときは「素直にうれしかった」と言う。自身初のJ1の監督。期待の大きさは分かっている。プレッシャーと楽しみは半々。「これからどんな状況になっても逃げずにやっていく」と、男気(おとこぎ)を見せた新監督は「サポーターも一緒に戦ってほしいです」とメッセージを送った。【斎藤慎一郎】

 ◆三浦文丈(みうら・ふみたけ)1970年(昭45)8月12日、静岡県出身。清水商から筑波大に進み、93年に横浜Mに入団。その後は京都、磐田、東京でプレーし06年に引退。07年に東京のコーチに就任。09年に横浜のコーチ、10年から12年は横浜ジュニアユースの監督を務めた。13、14年は新潟、15年は福岡のコーチを務め、16年に長野の監督。現役時代はFW、MF。リーグ通算295試合出場37得点。