広島は0-1の後半34分、FW佐藤寿人(34)を途中投入したが、ゴールを割れなかった。佐藤は右サイドでボールを受ける場面はあったが、シュートは0本。すでに来季J2に降格する名古屋移籍が決まっており「素晴らしい12年間だった。決勝までいけなくて悔しい」と無念の表情を浮かべた。

 試合後はサポーターから「気のすむまでやってこい!」「何処にいても戦い続ける寿人が好きだ」「いつかまた必ず佐藤寿人と闘いたい」などと書かれた横断幕が掲げられた。加えて「寿人」コール。アウェーの広島サポーターだけでなく、鹿島サポーターからも拍手が送られ、佐藤は深々と頭を下げて感謝の意を表した。05年に加入後は、Jリーグ王者3回。クラブW杯では02年に得点王となり、昨年は3位に導いた。「僕が広島に来た時から、良い意味で変わっていると思う」とユニホームを脱いだ。

 チームは前半から好機はあったが、同25分にMFアンデルソン・ロペス(23)がゴール前でフリーでクロスを受けるも、痛恨のトラップミス。後半18分に得たPKも外した。鹿島の10本を上回る13本のシュートを放つも、決定力を欠いて、今季全日程を終了した。