◆G大阪MF堂安律(18)

 2017年の主役候補の1人だ。5月に開幕するU-20(20歳以下)W杯韓国大会のエース候補。東京五輪世代の中核を担う。U-20W杯の出場権を懸けた16年10月のU-19アジア選手権では大会MVPを受賞し、その活躍が認められ16年のアジア最優秀ユース選手賞に輝いた。5大会、10年ぶりに出場するU-20W杯での期待値は高まるばかりだ。

 中1でG大阪ジュニアユースに入団。「下部組織の至宝」と言われてきた。プロデビューは先輩宇佐美を超える16歳11カ月11日で、宇佐美と同じACL・FCソウル戦。J1デビューはクラブ史上最年少リーグデビューとなる16歳11カ月18日を記録した。16年に高3ながらトップに飛び級で昇格。主戦場はセカンドチームのG大阪U-23だったが、J3で21試合10得点の活躍を見せた。

 それでも、苦悩の連続となった1年だった。堂安は「悔しい思いが多かった。その分成長できることも多かった」。16年はJ1で先発出場がなく、出場試合もわずか3試合。長谷川監督からは「突き抜けるものはない。期待できるものはまだない。メッシのようなドリブルができるわけでもない」と言われている。3連覇が懸かっていた同年12月24日の天皇杯横浜戦ではベンチ入りすらできなかった。指揮官から「まだまだできる選手」と、特別扱いは受けていない。

 素直な性格で、負けず嫌い。J1で試合に絡めなかった時には「心が折れた時もあった」と正直に話し「でも、ノリさん(G大阪U-23実好監督)と自分の映像を見て、課題を突き詰めたらまだまだやることはたくさんあった」と自らを奮い立たせた。リオ五輪前には「目標は東京五輪じゃない、リオ出場」と言い続けていた。2017年は、堂安にとって勝負の年。J1で開幕スタメン、U-20W杯での飛躍。求められることに応えていくのが、堂安律という男だ。【小杉舞】

 ◆堂安律(どうあん・りつ)1998年(平10)6月16日、兵庫・尼崎市生まれ。小学時代は西宮SSに所属。中1からG大阪ジュニアユース入り。今季ユースから飛び級でトップ昇格を果たした。今夏には、高3ながらオランダの名門PSVから正式オファーを受けた。J1通算5試合無得点。172センチ、70キロ。