◆仙台FW西村拓真(20)

 攻撃陣不足に悩む仙台にあって、救世主の期待がかかる。富山第一高を2年時に全国制覇へ導いた。3年時にはプレミアリーグ西地区18試合で10得点をマーク。15年仙台に加入すると、1年目のオフはスペインへ短期留学に派遣された。「大切な時間になった。成長につながった」と、2年目の今季はJ1デビューして初得点も決めた。

 クラブは今オフ、5年間在籍して通算40得点のFWウイルソン(31)が甲府に移籍。昨季7得点のFW金園英学(28)は札幌へ移籍し、今季チーム最多10得点のMFハモン・ロペス(27)も柏へ移籍が確実。現状、残るFW登録の選手は西村のみとなった。

 今オフの状態はいい。4-3-3など攻撃的なフォーメーションで臨んだ昨年11月の練習試合では、主に右のFWを担った。豊富な運動量でサイドを駆け上がり、右足で強烈なシュートを連発。ユースなど格下が相手だが、135分の出場時間で、5得点を挙げた。そんなMVP級の活躍にも「FWなので点を取ることを課題にしている」と淡々と語った。

 その後、いい状態のままMF茂木駿佑(20)とともに、約2週間ドイツ3部のフォルトゥナ・ケルンで自身2度目の海外研修に参加した。2人は、クラブ関係者から「トップチーム(1部ケルン)でやれる」と言われたという。実力は証明された。あとは新シーズンのJ1ピッチで大暴れするだけだ。【秋吉裕介】