鹿島学園(茨城)がエースFW上田綺世(あやせ、3年)の2得点で高川学園(山口)に逆転勝ちし、2回戦に駒を進めた。

 1点を追う後半30分、ペナルティーエリアでボールを受けると相手DFをフェイントで左にかわし、左足でゴール右に蹴り込んだ。同37分には、右クロスに走り込んで右足でダイレクトボレー。DFと競り合いながらの難しいシュートを決め、試合をひっくり返した。

 残り10分の2発で初戦突破に導いた上田は「逆転までできるとは思っていなかったけど、まず1点を返そうと思ってやった結果。2点ともパスの出し手の特徴を分かっていたので、イメージ通りです」と納得。鹿島の下部組織アントラーズノルテ(日立市)出身で、ユースに昇格できず高体連サッカーを選んだ男は「(08年度に)選手権で4強に入った姿を見ていたので選びました。いつかプロになれるよう頑張りたい」と話し、目標の優勝と得点王へ2ゴールで好発進した。

 学校は、クラブW杯で準優勝し、元日の天皇杯決勝にも進出しているJ1鹿島と同じ鹿嶋市にある。鈴木雅人監督(41)は「街全体が盛り上がっています。今日は鹿嶋市長や鹿島ユースの選手も応援に来てくれていましたし、カシマスタジアムから最も近い学校なので、よく試合も見に行かせてもらっている。明日はアントラーズに天皇杯で優勝してもらって、流れに乗って2日の2回戦も突破したい」と笑顔だった。【木下淳】