長崎総合科学大付が、個人技を武器にする桐光学園(神奈川)に快勝した。

 前半7分に、FW右田翔(かける=3年)が先制ゴールを挙げると、相手攻撃を必死に守り抜き、後半29分には主将でもあるMF薬真寺(やくしんじ)孝弥(3年)が勝利を決定づける2点目。Jリーグ川崎Fに内定しているガーナ人を父にもつDFタビナス・ジェファーソン主将(3年)擁する強豪チームを撃破した。

 15年9月に総監督から監督に「復帰」した小嶺忠敏監督(71)にとっては「復帰」初戦での白星となった。試合後は「私は何もしていませんよ」と謙遜していたが、徹底したマンツーマンDFで最後まで失点を許さなかった。「個人の力では相手が上。うちが勝つにはこうせざるを得なかった。みんなそれぞれが自分の役割をしっかり果たした結果だ」と徹底した対策の結果でもあった。「勝負には勝ったが内容としてはまだまだ」。国見時代に選手権で6度の優勝経験を誇る名将には、初戦を突破しても満足はしていなかった。【浦田由紀夫】