佐賀東は空手出身で、中学からサッカーを始めた1トップ中里知己(2年)が2点を挙げる活躍で、チームを勝利に導いた。

 中里は後半7分、MF井手威丸(3年)がゴール前で、頭で落としたボールに走り込み、DFと競り合いながら左足で先制点を決めた。

 中里は同15分にもDFのクリアミスにつけこんでボールを奪うと、左足で2点目のゴール。完全に流れを引き寄せた。

 小学生の時にはフルコンタクト空手の円心会館で九州1位にもなったことのあるファイター。身長166センチと小柄ながら、相手DFに当たり負けしない体の強さは空手で培ったという。

 中里は「後半は貪欲に点を取りにいった。(1点目は)威丸さんが良い感じでDFの裏にボールを落としてくれたので。自分は体の強さには自信があるので、DFに体を当てて。ボールがこぼれたんで思い切り打ちました」と、空手仕込みのプレーだったことを明かした。

 1トップの位置は今季はレギュラー不在。流動的な起用で戦ってきた。蒲原晶昭監督は「今日、中里の顔を見ながら先発を決めた。あのポジションは4人で回してきたけど、紅白戦でも一番点を取っていたので、本人に声をかけたら『点を取ります』というから。じゃあお前でいこうと」と説明。「相手がポーンとFWに蹴って、セカンドを拾ってという展開で、なかなか打開できないでいたが、点が入って少し抜け出すことができた」と、期待に応えた2年生をたたえた。【千葉修宏】