前橋育英(群馬)が、優勝候補の市船橋(千葉)を苦手のPK戦で破り16強に駒を進めた。昨夏の高校総体県大会は常磐にPK戦で敗れ、就任33年目の山田監督が「記憶にない」という屈辱の初戦敗退を味わった。この日は各選手にシュートコースを任せ「自信をもって蹴ってこい」と送り出し、文句なしの全員成功で競り勝った。

 6月の総体敗退後、チームは意気消沈し、グラウンドの集合など練習前の行動にも覇気がなかった。だが、8月の和倉ユース大会(石川)で、浦和ユースと東京Vユースを連破し、優勝したことで自信を取り戻した。PK戦で第1キッカーを務めた主将のMF大塚は「GKが左右に動くと思ってど真ん中に蹴りこんだ」としてやったり。夏に掲げた「初戦敗退からの逆襲」に向け、大きな壁を突破した。