前橋育英が遠野(岩手)に辛勝し、3大会連続の8強に駒を進めた。

 開始すぐの前半2分、右CKのこぼれ球をDF角田涼太朗(2年)が右足で押し込んで先制したが、その後は決定機を決め切れず。後半に入ると、前日2日の2回戦で全国高校総体王者の市立船橋(千葉)と激戦した疲労で足が止まり、遠野に4度の決定機をつくられた。シュートミスにも助けられ、辛くも1点を守り切る薄氷の勝利だった。

 山田耕介監督(57)は「試合が終わって帰ってきた選手の(暗い)顔を見れば分かる通り」と苦戦を認め「それでも、上に行くためには動けない中でも勝ち切ることが大事。何とか切り替えるしかない」と苦笑いで振り返った。

 決勝点の角田も「表面上は気を引き締めていたと思うけど、心の中では『市船に勝てたんだから』という慢心があったのかもしれない」と反省。その中で価値ある1発と3試合連続完封に貢献し「いいところにボールがこぼれてきたので落ち着いて決められた。最少失点で優勝に向けて、目標は今のところ達成できている」と納得した。次戦は累積警告で出場停止となるが「ショックでしたけど、仲間を信じるだけ」と吹っ切れた様子で話していた。