東海大仰星の中務雅之監督(34)は、取材陣から連覇を目指すラグビー部が4強入りを決めたと聞き「(試合時間が)大体、同じような時間帯でした。『次のステージに行こうね』と連絡が来ました。良かったですね」と喜んだ。

 ラグビー部の湯浅大智監督から祝福のメールが来たことも明かし、「向こうは試合が1日おき、こちらは連戦ですので(返事が)なかなか返せず怒られたりします」と笑った。

 記者から「ラグビー部は優勝候補。先に負けられないと意識するのでは?」と聞かれると「私たちの場合は本当に1戦1戦、選手が素晴らしい舞台で伸び伸びと自分の力を発揮できれば。器用なチームでもないし、毎年全国に行けるわけではない。ラグビー部の1番の目標は全国優勝。目標の掲げ方が違う」と苦笑した。

 一方で目標は違うが、志が同じであることも強調した。「目の前の試合、日ごろのトレーニングに実直に取り組めるか…ラグビーもそういう取り組みをしているから全国につながっている。いい関係を築いているし、ともに頑張っていきたい。」と強調した。G大阪DF藤春広輝、カブスの上原浩治投手、元日本ハム、レンジャーズ投手の建山義紀さんら、トップアスリートを輩出できるのも、そうした精神性が大きく「先輩たちのようになるには、ひたむきに取り組むしかない」と指導しているという。

 選手権前には、各選手が全体練習後にランニングやキックなど、それぞれの課題を克服するための個人練習を自主的に始め、それがチーム力を上げているという。DF面矢行斗(3年)は「監督からは『藤春は高校の時から運動量がすごかった。そこまで行きたいんやったら、もっとやらなあかん。自分でやることが大事』と練習中に言われ続けています。僕は左足のキックの練習をしています。各選手ごとにストロングポイントは違うけれど、それぞれ、やっていることが出ています」と胸を張った。

 富山第一戦ではFW、MF、DFの3ラインをコンパクトに保ち、2回戦で大量4得点を決めた相手攻撃陣を沈黙させた。組織的な守備を支えた、フルタイムにわたっても落ちない足、スタミナも、ひた向きな練習から生み出されたものだという。5日の準々決勝は、連覇を目指す優勝候補・東福岡と対戦する。面矢は「スタミナは、まだまだ大丈夫。引かずに真っ向勝負で行きます」と宣言した。【村上幸将】