富山第一MF久保佳哉主将(3年)は、涙で目を真っ赤に腫らし、両手に千羽鶴を持って、東海大仰星の控室に向かった。「優勝してくれって言って渡しました」と言い、涙をこぼした。

 ロングボールのけり合いの中、東海大仰星に押し込まれた。攻撃を仕掛けても、選手間の距離が近くコンパクトな東海大仰星の組織的な守りに苦しみ、チャンスを作ることが出来なかった。後半20分には、右からドリブルで仕掛け、相手DFがひるんだところを中央に切り込みシュートを放ったが、相手の2年生GK吉田幸平のスーパーセーブに阻まれた。「自分では、もっとやれたかなと思う」と、うつむき、唇をふるわせた。

 富山第一が星稜(石川)を延長戦の末に3-2で下し、優勝した決勝戦を国立競技場のスタンドで見ていた。当時、中学3年で「最後まであきらめない強い気持ちを、優勝したチームから学び」富山第一への進学後はサッカーに取り組んできた。「いろいろと経験してきたけれど、そんなに全国の舞台は簡単にはならないと、2年生は分かったと思う。来年につなげてほしい」と後輩に期待した。

 今後は大学に進学する。「プロを目指します」と涙ながらに誓った。【村上幸将】