滝川二(兵庫)が佐賀東を5-0で一蹴し、優勝した10年度以来6大会ぶりの8強に駒を進めた。前半2分、OBのレスター岡崎の9番を受け継ぐFW山田裕也(3年)が右足ダイレクトボレーで先制。前半は辻本が続き、後半は溝田、中森、持井が追加点。異なる5人が、すべて相手のゴール正面を破る鮮やかな形で点を重ねた。

 1回戦から3戦13発と今大会最多を誇る上、得点者は計10人に上る。この日も1年生の中森が初得点を挙げ、1点の8人が最多3点の溝田、2点の山田を追う構図。競争力が高まり、山田は「決めれば誰かが決め返すし、点を取らないと交代させられる。負けられない」。守っては3戦連続完封と盤石で、日替わりテーマ「総合力」にふさわしい勝ちっぷりだった。

 試合前には、岡崎の高校時代の得点映像を見た上で「献身性」と「おごらない精神」を全員で確認した。試合途中には、岡崎や鹿島金崎を育てた黒田和生元監督(現台湾代表監督)も応援に駆け付けた。「大勝した後なので『気を抜くなよ』と言ったら、選手から『まだまだ、これからです!』と返ってきた。頼もしいね」。明日5日の準々決勝・前橋育英戦へ、2度目の優勝へ、勢いが止まる気配はない。【木下淳】