「ヤザール」が、2戦連発で初の4強に導く。サッカーの全国高校選手権は今日5日、準々決勝が行われる。佐野日大(栃木)と対戦する駒大高(東京A)のMF矢崎一輝(3年)は、憧れるベルギー代表MFアザール(チェルシー)のプレー映像で得点イメージを描いた。「ヤザール」の愛称を持つ背番号10が学校の歴史を変えるゴールを奪う。4日は同校で調整した。

 チーム内にすっかり浸透した「ヤザール」こと矢崎は、恥ずかしそうに「アザールが好きなんです」と笑った。アザールはプレミアリーグの名門チェルシーが約39億円の移籍金をはたいて獲得し、いまや背番号10をまとうスター選手。中学2年の時にテレビで初めて見て、鋭い切り返しやボールさばきに魅了された。「やばい、どのプレーをとってもおもしろい」。以来、スパイクは同じモデルを履き続けている。

 寝る前のベッドの上でも、試合へ向かうロッカー室でも、アザールのプレー動画を見る。「気分が上がる。まねして、似たようなプレーも少しできるようになってきた」。初戦となった2回戦の高松商戦(1○0)は無得点だったが、続く山梨学院戦(4○0)は貴重な2点目を決めた。「次も決めたい」。1点ではもの足りない。

 前回大会でブレークしたU-19(19歳以下)日本代表FW小川(磐田、横浜・桐光学園卒)は、中学まで所属した大豆戸FCで1つ上の先輩。「ゴリさん」と愛称で呼んで尊敬する存在だ。矢崎は小川の姿に刺激を受け、今大会の開幕前には「昨年を超えろよ」とラインで激励された。最高成績だった3回戦はすでに突破した。埼玉スタジアムを目指し、本家ばりにヤザール弾を量産する。【岡崎悠利】

 ◆矢崎一輝(やざき・かずき)1998年(平10)5月23日、横浜市生まれ。ポジションはMF。5歳でサッカーを始める。都田西小-都田中と大豆戸FCでプレーし、駒大高へ入学。卒業後は駒大に進学予定。好きな食べ物は肉類。利き足は右。家族は両親と妹。179センチ、70キロ。