J1東京への加入が内定している、青森山田GK広末陸(3年)は、目標の無失点優勝を逃したことを、むしろポジティブに考えると強調した。「逆に失点したことによって、チームが締まるという意味では、ポジティブに捉えてやっていきたい。そのことで落ち込んでいても仕方ないので、次に出来ることと言えば、これ以上、失点をしないで優勝すること。そこに切り替えたい」と冷静に振り返った。

 問題の失点シーンは、3点をリードした後半33分。ショートCKで崩され、浮き球を放り込まれ、頭で押し込まれた。「ショートCKになると、ボールの状況が変わり、味方のマークも曖昧になる。自分が守備範囲をもっと広く持てば、失点はなかったかなと思うし、出られないボールでもなかった。そこは反省します」と振り返った。

 黒田剛監督からは「(選手全体に)思った以上に体が重かった。良くないながらに点数も入り、さらに良くなくなった。マンネリ化したサッカーになった。ゆるみがピッチの中で見えた。危機感、継続力とか、我々のずっとやってきたことがゆるんだ瞬間が、ピッチ内のいろいろな角度で見えてきた」と厳しい言葉があった。広末は「3-0になった時、セーフティーリードなんですけど、個人の対人の部分で競り負けたり、気のゆるみがあった。流れも相手に持っていかれ、相手のパワープレーに受け身になった」と反省した。

 1試合前の第1試合で、優勝候補の東福岡が、東海大仰星に敗れる波乱があった。広末は「次は、僕たちかも知れません。チーム全員で引き締めたい」とかみしめるように話した。【村上幸将】