今大会3戦13得点無失点だった滝川二(兵庫)の攻撃陣が不発に終わった。計10人で13発と多くの選手が得点に絡んできたが、前橋育英(群馬)相手にわずかシュート5本。強固な守備に決定機すら作れなかった。

 OBの岡崎慎司(レスター)が背負った背番号9を継承したMF山田裕也(3年)は「岡崎さんの名を汚してしまった。大学生活で活躍して、岡崎さんのようになりたいと思います」。今春からは同大に進学予定で「1年目から活躍して、五輪に出られるように、どんどんチャンスをつかんでいきたい」と前を向いた。OBの鹿島FW金崎夢生らが観戦する前で、無失点に終わった。

 守備陣も耐えきれなかった。前半22分にはDF今井悠樹主将(3年)が相手のドリブル突破にペナルティーエリア内でファウルした警告に加え、今大会初失点を喫した。後半37分にも今井が再びファウルしPKを献上すると、2枚目の警告で退場となり、精神的支柱と痛恨の2点目を失った。今井は「迷惑をかけてしまった」と涙した。だが、最後は胸を張ってスタッフ、選手、父母らを前に「滝二であることを誇りで思ってやることが大事。1、2年生はこの悔しい経験を無駄にしないでほしい。みんなに出会えたことに感謝します」とあいさつ。夢を後輩たちに託して、涙をぬぐった。