優勝候補の青森山田と東海大仰星が、前半からオープンに攻め合い、同20分過ぎから撃ち合いとなった。先制したのは、青森山田だった。前半23分、左サイドをドリブルで突破したDF三国スティビアエブス(3年)が、ペナルティーエリア左角でキックフェイントをかけてDFをかわし、右足でゴール右にたたき込んだ。

 直後の24分、東海大仰星が、すかさず押し返した。MF原田紘汰(3年)の左からの浮き球パスが、青森山田DF小山内慎一郎(2年)に当たり、こぼれ球が青森山田ゴールへ…。J1東京入団が内定したGK広末陸(3年)が辛うじて弾き、得点とはならなかったが、同26分、今度はMF大崎航詩(3年)の左からの浮き球パスがファーサイドでフリーだったMF松井修二(3年)に通り、松井がそのまま右足で決めて同点とした。

 追いつかれた青森山田は、自陣ペナルティーエリア前で先発全選手が円陣を組み、気合を入れ直した。そして前半41分、MF郷家友太(2年)のスローインをDFがはじき、そのこぼれ球をDF小山新(3年)がシュート。GKがはじいたこぼれ球を、J2千葉入りするMF高橋壱晟(3年)が右足でゴールに蹴りこみ勝ち越し。前半は青森山田の1点リードで折り返した。

 後半は青森山田がパスをつなぎ、一方の東海大仰星はロングボールを蹴る、対称的なスタイルで攻め合った。後半41分、東海大仰星がハーフウエーライン付近からロングボールを青森山田ゴール前に通し、フリーの大崎がシュートも惜しくも枠を外した。同42分にも、同様にロングボールを青森山田ペナルティーエリアに蹴りこんだが、GK広末がタイミング良く飛び出し、得点を許さなかった。青森山田が準優勝した88回大会以来、7年ぶりの決勝進出を果たした。【村上幸将】