4戦連発で青森山田を7年ぶりの決勝進出に導いたMF高橋壱晟(3年)は、試合後、報道陣の中から「優勝、おめでとうございます」と、少し気の早い間違った質問が飛び、苦笑いした。一瞬、戸惑いは見せたが「相手がロングボールを多く使ってきていたので、何とか耐えて、いい形で勝てたと思う。埼玉スタジアムで多少は緊張がありましたけど、平常心で自分たちのサッカーを心掛けました」と冷静に答えた。

 高橋は1-1で迎えた前半41分、DF小山新(3年)のシュートをGKが弾いたこぼれ球を、右足で豪快にたたき込み、決勝ゴールを決めた。MF郷家友太(2年)のロングスローが起点となったゴールについて「ロングスローの形は練習通り。狙い通りできた。味方がシュートを打った時、こぼれ球に反応しようと思っていたので、いい準備が出来た。いいところにボールが転がってきたので、思い切って打ちました」と、計算通りのゴールだったことを強調した。

 4戦連続4ゴールと、J2千葉への入団が内定した実力を、今大会では存分に発揮している。得点王も視界に入るが「やっぱり(得点王を)狙うことはもちろんですけど、チームが勝つことが優先」と言い切った。昨年は同じ準決勝で、国学院久我山に後半ロスタイムの失点で逆転負けした。「去年を知っている5人がチームを鼓舞することができた。リベンジできてうれしい。チームの勝利のためのゴールを取りたい。次の決勝も、絶対に勝ちたい」と力を込めた。【村上幸将】