守護神の「事故ゼロ運動」で頂点をつかむ。サッカーの全国高校選手権で決勝に進出した青森山田が8日、都内で約1時間半ミニゲーム形式のフォーメーション確認やセットプレーの練習で調整した。

 22年連続24回目の出場ながら、最高成績は09年度の準優勝。悲願の初優勝をかけて9日に埼玉スタジアムで前橋育英(群馬)と対戦する。

 J1東京入りが内定しているGK広末陸(3年)は「やることをやるだけ。最後は出し切って勝ちたい」と決勝を無失点に抑えると意気込む。常々、黒田剛監督(46)は「選手権ではポゼッションというよりDFの背後へのボールで事故というかアクシデントが起こりやすい」と裏への抜けだしから事故のような失点があると警戒している。

 思わぬ形での失点を防ぐために必要なのは「あわてない」「声かけ」「身ぶり手ぶりで確認」の3要素だ。

 広末は、(1)「事故(裏へ抜け出される)が起こるのはしょうがないが、失点につなげなければいい。経験と自信がある」と相手がフリーになっても慌てないこと。(2)広い埼玉スタジアムで「会話を多くする。距離が遠くてもプレーが切れたタイミングやハーフタイムでコミュニケーションを取る」と仲間のDFに積極的に声かけをすること。(3)大歓声でコーチングの声が消えることで連係不足が起こることを防ぐため「身ぶり手ぶりを使う。ジェスチャーを使いたい」と“指さし確認”することを挙げた。

 ここまでチームは4戦15得点2失点と圧倒的な強さで勝ち進んできた。「いつも通りやれば勝てる」と自信を持って挑むと意気込んだ。