青森山田が、1970年(昭45)の創部から47年で初優勝を飾った。

 J2千葉入りが内定しているMF高橋壱晟(3年)の5戦連続ゴールで先制すると、2点をリードした後半12分、14分にはFW鳴海彰人(3年)が連発し、試合を決めた。高橋と鳴海は準決勝終了時点で得点ランキングトップの4得点で並んでいたが、決勝戦で2ゴールを決めた鳴海が、6ゴールで得点王に輝いた。

 高橋の先制ゴールで均衡を破るまでは、前橋育英の闘志むき出しの攻勢に、青森山田が押される展開が続いていた。開始10秒、J1東京入りが内定しているGK広末陸(3年)がキックしたボールに、相手選手が突っこみ、ボールが自陣ゴール方向に弾かれ、ヒヤリとさせられる幕開けとなった。その後、前半4分、15分には、広末が相手選手との1対1の決定的な状況を作られながら、体を張ったセーブで防いだ。

 その中、前半23分、高橋が鳴海の右クロスを1トラップして、そのまま左足でゴールにたたき込んだ。高橋はそのままバックスタンドに走り寄ると、右手を突き上げてガッツポーズした。同45分にはゴールエリア内にパスを通され、前橋育英DF角田涼太朗(3年)に決定的なシュートを打たれるが、枠を外しピンチを免れた直後に、一気に攻め返した。同46分、MF嵯峨理久(3年)が、MF郷家友太(2年)からのワンツーパスを受けて自ら決め、試合の主導権を奪い返した。

 後半は落ち着きを取り戻した青森山田と前橋育英が互いに攻め合ったが、心身ともに疲れが見え始めた前橋育英を、徐々に青森山田が押し込んでいった。後半12分、嵯峨が右から放った浮き球パスを、鳴海がジャンプして胸でトラップし、着地しながら右足で流し込み3-0。鳴海は同14分、今度は広末のゴールキックを郷家が相手選手と競り合った裏に走り込み、こぼれ球を右足で豪快にゴールに蹴りこんだ。後半44分には、鳴海と交代で入ったFW佐々木快(3年)がダメ押しの5点目を決めた。

 青森山田は16年12月に高校、Jクラブのユースチーム、クラブチームの頂点を決める高円宮杯U-18チャンピオンシップで、広島ユースに0-0からのPK戦を4-2で制し、初優勝しており今季2冠。名実ともにユース年代の頂点に立った。【村上幸将】