5戦連続ゴールで青森山田を初優勝に導いた、エースのMF高橋壱晟(3年)は、前半23分に先制点を決めた際、得点王を意識していたか聞かれると「いやぁ…意識はしないと言ったら、ウソになりますけど…。正直(ゴールは)うれしかった」と言い、照れ笑いを浮かべた。

 前橋育英の猛攻に苦しんでいたチームを救う、大きな先制弾を決めた時点では、5ゴールで得点王レースのトップに立っていたが、その後、同僚のFW鳴海彰人(3年)が2連続ゴールで、大会通算ゴールを6に伸ばしたため、得点王は譲った。

 試合中、鳴海の様子も気に懸けており「多分、彰人(鳴海)は前半、点が取れなくて悔しがっていたと思うので、彰人が点を取って勝てたので、すごく良かったと思う」と笑った。

 一方で、鳴海が2発決めた後、点を取りに行かなかったことについては「自分も取りたいなぁと思って、後ろから見ていました。行きたかったんですけど、3-0、4-0になったら、行く必要はないかな」と、勝利のためにチームのバランスを優先させたことを示唆した。

 優勝を喜びつつも、J2千葉に加入し、挑むプロ人生に向けて、早くも気を引き締めた。

 「攻撃にも守備にも入ることができるようにやっていきたい。今、考えているのは、ボランチとして守備は高校よりも求められると思う。キャンプでも、どんどんやっていきたい」

 15日には千葉のホーム・フクダ電子アリーナで行われるキックオフフェスタで、千葉の選手として初めてサポーターの前に立つ。高円宮杯U-18チャンピオンシップと選手権を制した、ユース年代屈指の選手として、プロの大海に飛び込む。【村上幸将】