「ミスターアルビレックス」が帰ってきた。新潟の今季の新体制会見が11日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた。J3栃木から移籍のMF本間勲(35)は14年8月以来、2年半ぶりの復帰。栃木移籍まで00年から在籍し、主将も務めた新潟の顔が、大黒柱となって新生アルビを支える。会見にはFWホニ(21)を除く今季加入選手13人と、中野幸夫新社長(61)三浦文丈新監督(46)らスタッフを合わせて18人が出席。新シーズンへの健闘を誓った。

 万感の思いを込めた。会見のあいさつで、新潟MF本間は復帰の喜びを素直に言葉にした。「サッカー選手としてキャリアをスタートさせてもらった特別なクラブに戻ってくることができて、本当にうれしく思います」。

 背番号は前回在籍時と同じ「15」。自分から求めたのではなく、クラブから提示された。「またこの番号で、ビッグスワンでプレーする姿を見せたいです」。かつて豊富な運動量と的確なパスワークでチームをけん引した司令塔は、復帰と同時にベストパフォーマンスを約束した。

 00年に習志野から入団したルーキー時代は、大々的な会見はなかった。14年8月12日、栃木移籍への会見でも、クラブハウスの応接室で数人の報道陣に囲まれただけだった。新潟を去らなければならない寂しさに、涙を流した。あれから883日。35歳のチーム最年長となって迎える2度目の新潟入団は30社、約50人の報道陣に囲まれた盛大なものだった。

 だからこそ、求められているものは分かっている。栃木では15年にJ2からJ3へ降格し、昨季はJ2昇格の失敗を経験。はい上がろうとする必死さを感じ取った。新潟を離れた2年半で、得たものは多かった。「若手の手本になれるようにやっていかなければ。プレーや言動でそういう姿を見せないと」。新潟では07年からゲーム主将を務め、10年から12年まで正式に主将を務めた。ひたむきさを背中で見せるスタイルは当時から変わらない。そこに、けん引役を意識するたくましさが加わった。

 今日12日からはチーム練習が始まる。「外部から見たビッグスワンは素晴らしいと感じた」。そのスタジアムで背番号15を再び躍動させるため、新たな1歩を踏み出す。【斎藤慎一郎】

 ◆本間勲(ほんま・いさお)1981年(昭56)4月19日生まれ、胎内市出身。中条中から習志野(千葉)に進み、00年に新潟入団。10年から12年まで主将を務めた。14年8月に栃木に移籍。J1通算では251試合に出場して9得点。ポジションはMF。173センチ、67キロ。背番号15。