J3盛岡を今季から率いる菊池利三監督(43)が11日、盛岡市内で新加入6選手とともに会見した。J1神戸のネルシーニョ監督(66)が、かつてV川崎(現東京V)を指揮した時代に菊池監督は選手として在籍。「日ごろから自分が出た時の準備。そこはしっかりしていく」と、恩師の教えを伝える考えを示した。

 当時のV川崎はカズ、ラモスら日本代表7人に2人の外国人がいて、菊池監督の出番は難しかった。ネルシーニョ監督から「チャンスは頻繁に来るものではない」と言われた。試合に出場するにはと考え、長所のキック力の精度を上げるため居残りでゴールの隅を狙う練習を繰り返した。

 その準備が実り、本職のボランチからサイドバック、ウイングバックでの出場が増えた。正確なキックがアシストにつながり、カズに褒められたことがある。Jリーグの監督になるのは初めて。「チャレンジだと思う」と、故郷・岩手で大きな1歩を踏み出す。