横浜から完全移籍した元日本代表MF中村俊輔(38)が14日、磐田の一員として始動した。静岡・磐田市の大久保グラウンドで行われたチームの今季初練習に参加。雪が降ったグラウンドには、サポーター700人に加え、報道陣約50人が集まった。名波監督も「俊輔フィーバー」を大歓迎する姿勢を示した。

 「磐田の俊輔」が本格的に動き出した。午後2時過ぎに練習開始。直前まで静岡では珍しいふぶく状況だったが、中村俊は元日本代表MF松井らと談笑しながらジョギング。その後は、時間を設定したランニングやパス回しなどフィジカル中心のメニューを消化した。約1時間半、精力的に動き回った38歳は「『いよいよ始まったな』という思いです」と振り返った。

 中村俊を歓迎すべく、一般観客席には昨季始動日の3・5倍となる約700人が駆け付けた。正午の開門前に駐車場は満車となり、立ち見客も出た。報道陣はテレビカメラ7台、約50人。チームも「俊輔フィーバー」を大いに歓迎した。DF大井は「報道陣の多さを見れば注目度は分かる。チームとしても注目されることはレベルの上がるチャンス」。名波監督も「アスリートとして注目されることはプラス要素しかないと思っている。多くの集客がある中でやることは、人間形成にもつながる」と言った。

 中村俊は、そんな周囲の期待を実感しながら改めて決意を口にした。「こんな悪天候の中、足を運んでもらえてありがたい。もっと見に来ていただけるような魅力あるチーム、個人になれるようにしたい。体、メンタルも含めて開幕の時にばしっともってこれるように足元を見ながら準備していきます」。

 新たな挑戦に挑む希代のレフティーは、新天地で順調な1歩を踏み出した。【前田和哉】