優勝請負人が、仙台にやってきた!! 仙台の新加入選手発表会見が14日、仙台市内で行われた。浦和から期限付き移籍で加入したFW石原直樹(32)は、広島と浦和での優勝経験を踏まえて、常勝軍団のあるべき姿を語ると同時に、サポーターにも本音で接した。目標に「2桁得点」を掲げ、優勝争いへ新天地での活躍を誓った。

 優勝の喜びを知らない仙台サポーターが、石原に率直な思いをぶつけた。「広島とか浦和でタイトル争いをやっていたと思うのですが、その時のコツとか何かあれば」。会場からは笑いが起こった。しかし石原は、この質問に真っ向からぶつかった。「(広島も浦和も)一緒にやるときに、1人1人がうまいなと感じました。チームとして規律もしっかりしてます。絶対に負けないというのをプレー1つ1つで感じました」。常勝軍団の重みを、はっきりと口にした。

 渡辺晋監督(43)が挙げた「優勝経験がある、経験が豊富である」という補強ポイントに最も合致するのは、石原だ。石原は12年に広島に移籍後、点取り屋として同年からチームのJ1での2連覇に大きく貢献。ケガに苦しんだ浦和でも、16年にルヴァン杯優勝を経験。優勝争いするチームで戦ってきた。

 常勝が期待されることの難しさも話した。「やっぱり、(浦和)レッズの場合は、負けられないというか覚悟があった」。選手としての経験を語った後、客席にも語りかけた。「サポーターが目指しているものも高いですし、そういう中でプレーしているのを感じました」。優勝争いへ、サポーターにもより強く優勝を願うことを期待した。

 もちろん、自らも高い意識で臨む。「個人はやはり2桁を取れるように」と、自身3年ぶりのJ1での2桁得点を約束。優勝の喜びを知り尽くす男が、仙台にもその喜びをもたらすために奮闘する。【秋吉裕介】