青森山田を全国高校サッカー選手権初優勝に導いた攻守の要が、プロへの1歩を踏み出した。10番を背負ったエースMF高橋壱晟(3年)が15日、千葉・フクダ電子アリーナで行われたJ2千葉のキックオフフェスタで、千葉の一員としてサポーターの前に初お目見えした。選手権を制した余韻覚めやらぬスタンドから、大歓声を浴びた高橋は、将来の目標に日本代表入りとW杯出場を掲げた。

 高橋はステージに上がった瞬間、スタンドから「千葉の高橋になれ!」と大きな声が上がると、照れ笑いを浮かべた。前列に陣取ったサポーターから「お久しぶり。(選手権を)埼玉スタジアムで見たよ」と声をかけられると笑ってうなずいた。イベントに参加した新加入7選手の中でも、人気は絶大だった。

 初々しい表情が、集まった3086人のサポーターへの第一声の時には、堂々と自らをアピールするプロの顔に一変した。

 「自分の武器は得点力だと思っています。1日でも早く試合に出てゴールを決められるように、チームに貢献できるようにしたい」09年の降格以降、J2で戦う千葉は、高橋に大きな期待を寄せている。高橋悠太GMは「高校2年からスカウトが追い、彼の技術は将来のクラブを支える存在だと思ってオファーした。選手権で5点取ったように攻撃力はあるが、全体的にレベルアップして早い段階でチャンスをつかんでほしい」と熱っぽく語った。

 現役時代にRマドリードでプレーしたフアン・エスナイデル監督(43)も「選手権は見た。ボランチながら攻撃ができ、ペナルティーエリアに入り込める。練習に早く順応し、その結果、試合に出られればいい。ボランチに求めるのはゲームを作ること。その上でゴールに絡んでほしい」と高橋の才能を高く評価した。

 今季のユニホームが完成しておらず、この日は背番号32の練習着を着た。「最終的に(青森山田と同じ)背番号10番をつけられるように…いずれは、そういう(クラブを背負う)選手になりたい」と口にした。その上で「高校時代からトレーニングメニューを送ってもらったり、期待してもらい、成長できる場として選んだ。青森山田の高橋から、千葉の高橋になる覚悟はあります。目標は日本代表になってW杯に出ること」と誓った。【村上幸将】