青森山田を全国高校サッカー選手権初優勝に導いた守備の要GK広末陸(18=東京U-15深川)が15日、東京の新体制発表会見に出席した。東京・小平グラウンドでの今季初練習に参加した後、前川崎FのFW大久保嘉人(34)ら日本代表経験者と並び登壇。始動日では史上最多という約2000人から「お帰り」と迎えられ「ここがゴールではありません。1日でも早く(本拠)味スタのピッチに立てるように努力したい」と抱負を語った。

 壇上には、プロ生活のライバルとなる新加入GKが勢ぞろい。ハリルジャパン候補の林と、中学時代に東京ユース昇格枠を争った波多野が195センチ、前長崎の大久保択が190センチあり、いずれも183センチの広末を上回る。だが「俊敏性や1対1、フィード(正確なキック)の部分では負けない」と断言。東京の下部組織から昇格できなかった時の課題を、青森山田での3年間で埋めた自負を示した。

 選手権決勝の3日後には入寮し、自主トレを開始した。1年目の目標には「J1で出場」を掲げたが、現実的にはJ3参戦中のセカンドチーム「東京U-23」で出場機会を確保しなければ始まらない。まずは対戦相手に盛岡、秋田、福島がいるリーグで出番をつかみ、東北に成長と恩返しのプレーを見せる。【木下淳】