「ミスターモンテディオ」の名で知られる、前J2山形コーチの高橋健二氏(46)が16日、神奈川県平塚市で始動したJ2湘南の練習で、湘南のヘッドコーチとして新たなスタートを切った。

 高橋ヘッドコーチは、曹貴裁監督(48)とともにピッチで選手の動きに目を光らせた。「正確にパスを送る!」「ボールの置き所を大事に!」などと、鋭い声で選手に指示を送った。ストレッチをしている選手には、すかさずサポートするなど、ピッチを駆け回った。練習が終わると、他のコーチ陣とボールを蹴ったり、現役時代さながらのリフティングまで披露した。

 山形県出身初のプロ選手として、94年に前身のNEC山形に入団してから、山形一筋だった。「この年にして、初の移籍ですからね。新鮮ですし、チャレンジですね。選手と近い立場にいたい」と言い、笑みを浮かべた。

 選手、指導者としての豊富な経験を生かし、湘南に新たな風を吹かせることが期待されている。一方で、自身もJ1で監督を務めるために必要な、S級ライセンスの取得に取り組んでいる。「湘南のために自分の力を貸したいし、また曹監督の元で自分も鍛えてもらいたい」と、チームと自身の成長、進化に全力を挙げて取り組む覚悟だ。【村上幸将】