木山隆之新監督(44)率いるJ2山形が17日、静岡・御前崎市内で1次キャンプをスタートさせた。左膝の手術で離脱中のMF佐藤優平(26)を除く27人が参加した。朝6時に山形を出発し、約8時間のバス移動にも疲れを見せず約1時間半汗を流した。後半は、初日から異例ともいえるゲーム形式の戦術練習に30分ほど時間を費やした。2月26日の京都との開幕戦に向け、急ピッチで仕上げていく。

 キャンプ初日からアクセル全開発進だ。ランニングに始まり、ボール回しなどで基礎技術を確認すると、木山監督はホワイトボードを引っ張り出した。約5分ほど攻守の約束事を選手に説明すると、いきなり11対11の戦術練習を2本も行った。新指揮官は「人も入れ替わっているし、イメージを共有するのは1日でも早い方がいい」。11日に新体制が始まったが雪で外が使えず、芝生上での練習は始動後初。12人の新戦力が加入したこともあり、実戦を優先した。

 システム3-4-2-1同士で戦い、時には木山監督が中断しながらパスコースの確認を何度も行った。昨年と同じシステムながらも、より「つなぐ」意識を鮮明に打ち出した形となった。木山監督は「(昨年は)プレスはあったけど」と前置きしながら「攻撃でより多くボールを前に運ぶために、確実にビルドアップしていく。フリーな選手をどうやってつくっていくかが、自分たちが一番やらなきゃいけないこと」と意図を説明した。

 山形加入4年目で、14年のJ1昇格の味を知るベテランMF松岡亮輔(32)は決意を新たにしていた。「初日は軽いランニングとミニゲームが多いけど…」と驚きつつ「今年はもっとボールを多く触って敵陣に落とし込んでいくことになる。今までの経験に木山監督のやり方を吸収して、成長していきたい」と意気込んだ。

 初の本格的な練習を終え、指揮官は「全然悪くなかった」と手応えを口にした。2月26日の開幕まであと6週間。「そんなに時間があるわけではない。キャンプでやれるベストを尽くしたい。チームが1つになれるように。つながりをつくっていきたい」。今季の目標を問われると「優勝」と迷わず断言。新生山形が、フルスロットルで船出した。【高橋洋平】