沖縄・国頭村でキャンプ中の東京が20日、抜き打ちで「山ごもり特訓」を行った。選手に予告なく行われる標高150メートル付近でのクロスカントリー走で、近年の合宿では名物。今季加入したFW大久保嘉人(34)は初体験で「あそこまできついとは思わなかった」と苦笑いした。

 抜き打ちとはいえ、以前から在籍する選手たちは練習場のピッチに用意された練習器具の少なさから“抜き打ち”を察知した。準備運動後、バスに乗り、山道を20分ほど揺られると、コースが現れる。携帯電話も圏外になる場所で、1000メートル、800メートル、600メートルを各2本ずつ。雨で芝がぬかるみ、足への負担は大きかった。

 長崎・国見高時代に厳しい走り込みを繰り返した大久保は「あの時に比べれば」と余力をアピール。ただ合宿中にもう1度行われる可能性には「ないことを祈るよ」と冗談っぽく笑った。川崎Fでの4年間は走り込みがほぼなく、「すごくいい。(練習を)やっている感じがある」と新天地の練習を歓迎した。その後、実戦練習ではゴールを決めるなど、順調に調子を上げている。【岡崎悠利】