仙台最古参、15年目のMF菅井直樹(32)が気を吐いている。仙台は22日、鹿児島キャンプ5日目の午前練習で約70メートル走4本×8セットのランメニューを行った。ピッチからは悲痛な声も聞こえた。そんな中、同年代の選手らと走った菅井は表情一つ変えず、後続を寄せ付けなかった。

 「南の島」自主トレの成果だ。場所は明かさないが、「暖かいところで、いい準備をしてキャンプに入れた」。初の試みという20日間の自主トレで、走り込みやトレッキングをこなした。日焼けした姿からも、自主トレの成果がうかがえる。

 豊富な運動量を生かし、J1通算182戦で19得点を挙げてきた。そのスタミナは衰えを知らない。渡辺晋監督(43)も「調子いいね。すごい元気だね、キン(菅井の愛称)は」と喜んだ。

 昨季仙台の公式戦は11月初めに終了。元日、菅井は天皇杯決勝を観た。「うらやましいと思ったし、あの舞台に立ちたい思いも」。昨季はケガもあり、リーグ戦出場は、15年の28戦から激減の16戦だった。「自分自身にチャレンジ。限界を決めずにやれるところまでやる。ケガをしない体力づくりと、1年間戦える体力を」と静かに燃えている。【秋吉裕介】