柴崎岳とラスパルマスの交渉はまとまらなかった。契約を見越したスペイン入り後に二転三転した背景に、欧州連合(EU)圏外選手が3枠と厳しい同国特有の事情がある。狭き門を巡って他の獲得候補の去就に翻弄(ほんろう)された格好だ。

 関係者によると、柴崎より優先度が高い南米選手がEU枠と認められなくなるなどの複雑な事情が絡み、当初は入る余地があった枠が白紙となった。移籍期限を目前に他の選択肢を探らざるを得ず、鹿島の鈴木強化部長は「EU圏外枠が埋まったり、空いたりというところが(破談の)理由のようだ」と話す。

 柴崎は12月のクラブワールドカップ(W杯)決勝でRマドリード(スペイン)から2点を奪って注目された。しかし、最近は日本代表から遠ざかり、国際的な評価が高いとはいえない弱みもあった。