スペイン1部セビリアからC大阪に電撃復帰した日本代表MF清武弘嗣(27)が2日、ドイツ経由で東京・羽田空港に帰国した。第一声は「本当にいろんな感情がある」。欧州リーグ3連覇中のセビリアを半年で退団し、推定500万ユーロ(約6億円)の移籍金で復帰。欧州市場最終日に完全移籍で合意し「C大阪に感謝したい。育ててくれた、本当のサッカーの楽しさを教えてくれたクラブだから選んだ」。スーツケースなど4個の大荷物が、退路を断った男の覚悟を表した。

 12年夏以来4年半ぶりの復帰。入団会見を控えるため2分超にとどめたが、予定外の肉声を出した。テレビカメラ8台を含む約40人の報道陣に「欧州に残ることも考えたけど、最終的には自分で日本に帰って来ると決めた」。ドイツ1部マインツや米MLSシアトルからC大阪を上回る好条件のオファーも届いたが「後悔はない。突き進んでいくだけ」と古巣愛を貫いた。

 セビリアではリーグ4試合1得点。18年W杯ロシア大会アジア最終予選にはトップ下で先発しているが、日本に残していた家族のため、試合体力を取り戻すためJリーグを選んだ。香川や長友から決断を支持されると「この半年は特に相談したり、支えてもらった」と目を潤ませながら感謝。明日4日から合流する宮崎合宿へ「欧州で成長した姿を見せたい」と誓った。J1の97試合17得点を、レベルの高い欧州で121試合18得点と超えた自負を、結果で証明する。【木下淳】