競争が激化する。仙台渡辺晋監督(43)は3日、宮崎延岡キャンプで今日4日に行われる大宮との練習試合(45分×4本の予定)で、戦術確認とともにレギュラー争いも重視する方針を示した。この試合から、臀部(でんぶ)の違和感で離脱していたFW平山相太(31)が復帰濃厚で、1トップと2シャドー(下がりめのFW)は混戦が確実。昨季レギュラーから若手まで、熾烈(しれつ)な争いとなる。MF富田晋伍(30)が3年連続となる主将に就任した。

 渡辺監督は「もっともっと競争をあおりたい」と力強く語った。今日の試合時間は、今キャンプ最長となる。基本的に全選手を90分間出場させる方針だ。1、2本目は「調子も良く、前回(1月31日のJ2大分との練習試合で)頑張った選手を使いたい」と前置きした上で、「今まで以上にアピールする時間が増える。1試合目(1、2本目)のメンバーに入れなくても、へこたれないで欲しい」と訴えた。

 競争の終わりが近いことを示している。約1カ月間の長期キャンプも中盤にさしかかっており、今日でJ1開幕まで残り3週間となった。渡辺監督は以前、「大宮戦くらいからそろそろメンバーを固めたい」と見通しを立てていた。この日の守備の戦術確認では、選手の入れ替えを行いつつ計6つの布陣を試した。組み合わせの向き不向きも確認して、選手の適性確認に余念がなかった。

 最激戦区は、新布陣「3-4-3」の前線3枚だろう。これまで練習試合2戦で、MF梁、MF野沢、MF金久保、MF奥埜、MF中野、MF佐々木、MF茂木、FW石原、FW平山、FW西村の計10人がプレー。そこに、1トップ候補で右太ももの打撲でリタイア中のFWクリスランも加わる。前線3枚はより多くの組み合わせが考えられ、競争は厳しくなる。

 レギュラー格も必死だ。奥埜は「練習試合からアシストや得点を出していかないと試合に出られない」。梁は「シャドーは今までとは違うポジション。守備の最初のスイッチになりたい」と、不慣れな位置にも意欲的だ。チーム攻撃陣にとって、間違いなく試金石の一戦となる。【秋吉裕介】