磐田に新加入した元日本代表MF中村俊輔(38)が、プレシーズンマッチでデビューした。

 J2熊本を相手に、10番を背負ってトップ下で先発出場。高い技術と戦術眼を生かしたチームの司令塔として、抜群の存在感を見せつけた。前半6分には右サイドから攻め込み、左足を振り切ったがボールは惜しくも右へ外れた。

 前半34分には左サイドからピンポイントのクロスボールを送り、FW川又がヘディングシュート。惜しくも相手GKにセーブされたが、さっそく息の合ったプレーを披露した。そして得点も中村のサイドチェンジから生まれた。右サイドへ大きく展開し、そのパスを起点に右サイドからのクロスボールをFW川又が頭で合わせた。

 1点をリードした後半25分に途中交代となったが、中村は出場時間中、常にボールに絡み、攻撃のタクトを振るい続けた。その姿に、名波監督は「70分前後の時間で86タッチしているんで、数字的には抜群にいい。プレスゾーンをかいくぐり、タメをつくっていたし、ストレスなくプレーできていた。周りもイキイキしてできた」と満足そうに話した。

 ただチームは終盤に追いつかれて1-1のドロー。パスが合わない場面があるなど、攻守にわたる選手間の距離にまだ改善の余地こそあるが、中村のいる新生ジュビロへの期待感はふくらんだ。