スペイン1部セビリアからC大阪に復帰した日本代表MF清武弘嗣(27)が5日、クラブ初の優勝へ導く覚悟を示した。2次合宿地の宮崎市内のホテルで入団会見。4年半の欧州クラブで得た経験をチームに伝え、ピッチに入れば厳しくやると宣言した。今日6日には練習に合流予定。95年のJリーグ加盟から手の届かなかった悲願へ「タイトルを取ることしか考えていない」と強い意欲を見せた。

 桜色のジャージーに身を包んだ清武の顔は、闘志にあふれていた。4年半ぶりのC大阪復帰。目指すはチームがまだ駆け上がったことがない頂点だ。「タイトルを取れたら、セレッソはもっと大きく強くなると思う。それが僕の目標」と言い切った。

 1月の新体制会見で尹(ユン)新監督は「真ん中の順位、9位が目標」と言った。プレーオフで昇格した過去4クラブは全て1年でJ2に降格しており、現実的に設定された控えめな数字ともいえる。だが、清武にとっては物足りなく感じたはずだ。

 12年夏に海外へ渡った。ドイツのニュルンベルクとハノーバーで結果を出したが、セビリアでは出場機会に恵まれなかった。喜びも苦しみもあった4年半。「サッカーと真剣に向き合った。向き合えたおかげで、弱さだったり改善すべきところが明確に分かった。姿勢、気持ちの部分で強くなったと思う」。その経験を伝えることで「日本でやるならセレッソしかない」というほど愛着あるチームを変える。

 「みんな仲良しでサッカーをしている感じ。それはいいことだし、チーム力につながる。だけど、ピッチに入ったら厳しくやりたい。自分が厳しくやれば若い選手も感じてくれると思うし、言葉で伝えるより姿勢を見せられればいい」

 本気で優勝を狙うからこそ、心も鬼にして引っ張る決意だ。玉田社長も「厳しさを持ち込んでくれるんじゃないか」と期待する。会見前の午前中には宿舎で体を動かし、意識の高さを見せた。海外再挑戦への思いも封印した。「今はセレッソでタイトルが取りたい気持ちしかない」。今日6日の練習合流を前に、覚悟は決まった。【小杉舞】

<清武と一問一答>

 -復帰の経緯、決断のタイミングは

 清武 去年の10月、11月くらいからセビリアの試合に絡めなくなった。いろいろと考える中で、一番(選手として)動けるタイミングで日本に帰るのもいいんじゃないか、と。1月に真剣に移籍について考え始めた。欧州からのオファーもあったけれど、日本に帰ってくるならC大阪と決めていたので、1月31日に決めてもらってうれしく思う。

 -どんなプレーを

 清武 海外から帰ってきて自信のないようなプレーはできない。期待やプレッシャーはあるが、わくわくしてるし、チームを勝たせるような選手になりたい。

 -背番号「46」は

 清武 40番台しか空いてなかった。(子どもの時に最初につけた)55と言ったけれどJリーグの規定で51番以降は無理だった。4+6は10なので、46にした。

 -日本代表のハリルホジッチ監督に報告したか

 清武 直接は話していないが、言葉はいただいた。Jリーグで結果残していれば、また呼ばれると思う。ハリルさんは見てくれていると思う。