宮崎合宿中の横浜MF斎藤学(26)が9日、東京との練習試合で「背番号10」をお披露目した。前日8日にチームと契約を更新し、昨季まで5シーズン背負った11番からの変更も発表。チームの象徴だったMF中村俊輔(38)の磐田移籍に伴い、空いていた伝統ナンバーを継承し「俊さんのようにチームを助けられる存在になりたい」と志願理由を明かした。45分×2本の試合は2-4で敗れた。

 練習試合用の黒ユニホームに、白字の「10」が映えた。横浜斎藤が新背番号を披露すると、宮崎のファンから拍手が送られる。主力組の左MFで先発して10分に右足シュート、30分には右足のクロスをFW伊藤の頭にピンポイントで合わせた。惜しくもGK正面で10番初アシストも、初得点もお預けとなったが、武器のドリブルを仕掛けたり、新加入の23歳DF山中に指示したり、チームを引っ張る覚悟を前面に出していた。

 名門の「顔」に立候補した。過去5人しかつけていない伝統番号。日産時代の木村和司や昨季までの中村ら、日本代表でも10番という名選手が背負ってきた。前日8日までにチームに直訴し「重みのある番号。偉大な方たちの後を継ぐことで自分にプレッシャーをかけ、より成長するために希望した。11番でもチームを背負う意識はあるけど、10番だと、さらに責任重大。名を刻み、価値を高めていければ」と決意を語った。

 中村に相談したか聞かれると「秘密!」とはぐらかしたが「10番の俊さんがチームを助ける姿を間近で見てきた。自分も同じように仲間を助けたい」と理想像はある。昨季はJ1初の2ケタ10得点をマークし「自分のサイド(左)から仕掛けられることは証明済み」と自信もある。あとはチーム。覚悟は決めた。

 欧州移籍を断念して先月30日に合流し、8日に契約を更新。気持ちは横浜一本だ。期限まで待ってくれたクラブへの恩もある。新10番として過渡期のマリノスを再建に導く。【木下淳】