Jリーグ開幕前イベントのキックオフカンファレンスが13日、東京国際フォーラムで行われ、J1からJ3の54クラブ(J1の23歳以下チーム除く)から代表選手と監督が出席した。25日の開幕戦の最注目カードは、昨季王者の鹿島と大型補強の東京。川崎Fから東京に新加入したFW大久保嘉人(34)が話題の中心となり、鹿島で売り出し中のFW鈴木優磨(20)とも絡みながら初優勝を誓った。

 大型移籍が相次いだ今季の主役も、やはり大久保嘉だった。J1全18選手の中で最初に質問され「手堅い鹿島との開幕戦は難しくなると思うけど、失うものは何もない。チャレンジしたい」。優勝クラブに3年間で計15億5000万円が入る理念強化配分金にも言及して「選手にどれだけ入るのか…」と笑わせながら「クラブに恩返しできるように、本気でタイトルを狙いたい」と優勝を宣言した。

 対戦する鹿島鈴木から「厄介な選手」と警戒されると「そりゃ厄介でしょ。普通とか言われたらサッカーやめてる。もっと稼げる仕事する」と笑い飛ばした。「挑戦の年に面白いことがしたい」と、プロ17年目で初の試みとして、今季のゴールパフォーマンスを個人サイトで公募中。伝え聞いた14歳下の鈴木から“応募”され、胸に両手で大久保の「O(オー)」をつくって前に押し出すキュートなしぐさを見せられると、苦笑いしながら一緒に披露した。最も取材陣が殺到したブースで、J1最多171得点者の余裕を漂わせた。

 もちろん自信がある。前日12日に宮崎合宿を打ち上げ。1月の沖縄と合わせ「川崎F時代の2年分は走った」と、むち打った。史上初の3年連続得点王に輝いた13~15年の開幕前と比べ「体は一番、絞れている。体が軽い。キレがある。数値? そういうの調べてない。俺は感覚でやるから」と冗舌に活躍を予告した。

 ステージでは、古巣川崎Fで昨季MVPのMF中村と再会。「ユニホーム、違和感あるよ。似合わない」とイジられながらも、2人で村井チェアマンを挟み「顔」役を務めた。開幕まで残り2週間。史上初の複数クラブでの得点王も目指す大久保嘉の17年が、話題独占で始まった。【木下淳】