17年のJリーグ開幕が週末の25日に迫った。今季は2季ぶりにJ1に復帰した清水エスパルス、J1で2年目を迎えるジュビロ磐田による静岡ダービーが復活する話題豊富なJイヤー。日刊スポーツ静岡版では今日22日から「静岡PRIDE」と題し、開幕前の両クラブに迫る。第1回は、21日に清水の新主将に就任したばかりのFW鄭大世(32)にスポットを当てる。

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 エースと主将の両看板を背負う自覚が、鄭に漂った。21日の練習前のミーティング。小林伸二監督(56)から第14代となる今季の主将就任を発表された鄭は所信を表明。「未熟な部分が多々ありますが、みんなを生かせるように頑張るので、よろしくお願いします」と決意を口にした。

 鹿児島キャンプ期間中、練習試合でキャプテンマークを巻いた。今季の開幕前実戦では4戦3発と存在感十分。主将就任は小学6年時以来で、プロでは初という鄭は「うれしかったです」と、指揮官からの打診を快諾したという。

 13~15年途中の水原(韓国)在籍時、試合でキャプテンマークを巻くと好調になるケースが多かった。FWには「自己中心さ」が必要だが、鄭には「調和」を意識できる余裕がある。

 鄭 チームの「和」を大事にする。試合中、苦しい時にゴールでチームを助けたい。

 練習中、人一倍大きい声を出す。若手にも厳しい要求を出し「球際については、うざがられて言いますよ」と気合十分だ。ピッチだけでなく、チームのために陰ひなたなく働く覚悟だ。小林監督も「主将マークを巻くと(プレーが)違う。チームを前向きにしてくれる強さがある」と期待を寄せていた。【保坂恭子】