負の歴史を大型補強で塗り替える。FC東京が23日、東京・小平グラウンドで紅白戦を行い、明日25日の開幕鹿島アントラーズ戦(カシマ)に向けて新戦力5人を試した。敵地では08年以降、リーグ戦で2分け6敗の天敵相手に、苦手意識を持たないFW永井謙佑(27)やMF高萩洋次郎(30)ら今季加入組を投入。リーグ初優勝へ、昨季王者をたたいて開幕ダッシュを狙う。

 大型補強の東京がベールを脱ぐ。開幕戦の最注目カードとして全国中継される鹿島戦を前に、紅白戦を実施。主力組の全ラインに新戦力が入った布陣が公開された。GK林、4バックに太田、ボランチ高萩、2列目に永井、1トップに大久保嘉。今季加入の5選手が組み込まれ、昨季最終節から実に11人中8人のポジションが入れ替わっていた。

 悲願のリーグ優勝へ、変わった顔触れに期待されるのは鬼門突破だ。25日に乗り込むカシマスタジアムは現在2分け6敗と勝ちがない。だが、新加入組には当てはまらない。高萩はサンフレッチェ広島時代の13年、リーグ2連覇を遂げた会場がカシマだった。「優勝した時の、いいイメージしかない場所」。ウェスタンシドニー時代の15年もカシマでアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)初戦を迎え、1得点1アシストして3-1で勝っている。

 2列目の左サイドで先発予定の永井も、鹿島戦は好印象だ。名古屋グランパス時代の12年6月16日にアウェーで対戦し、2得点1アシスト。「初めて複数得点をマークした相手」と記憶に残る。GK林はサガン鳥栖時代の14年にカシマでの最終節で完封。2点差で勝てば優勝だった鹿島の夢を打ち砕いている。

 主将のDF森重も「これだけ大幅に入れ替われば苦手意識とか関係ない」と天敵撃破に期待。生まれ変わったことを、開幕戦から証明してみせる。【木下淳】