「静岡PRIDE」第3弾のテーマは、新背番号10。清水エスパルスの6代目はMF白崎凌兵(23)。初代の沢登正朗氏(47)もその実力を認める23歳は、10番を自分色に染める決意だ。

 白崎は23日、開幕試合ホーム神戸戦に向け、清水三保グラウンドで行われた非公開練習に参加した。紅白戦にも出場し、「調子はいいですよ。チームもいい雰囲気でやれていると思います」と言った。

 1月のチーム始動から、結果が公表された4つの練習試合では無得点だが、まったく焦りはない。ゴールやアシストなど目に見える結果だけではなく、エースの10番として、チーム全体を見ているからだ。「勝たせられる選手になりたい。チームを引っ張っていけるようになりたい」。

 昨年からチームメートのDF松原后(20)やFW金子翔太(21)とは、あうんの呼吸で好連係を見せている。小林伸二監督(56)にも「周りとの関係もいい。シラがいると、チーム全体の攻撃がスピードアップする」と言わしめている。

 97~05年の初代10番、沢登氏は「(白崎は)背番号10を付けることで、人間的にも成長できるチャンス。プレーはもちろん、サポーターへの対応やメディアへの対応も大切になる」と重要性を説く。清水の新背番号が発表された1月13日以降、白崎が練習に励む姿や取材を通じて「『自分がやらなくてはいけない』という自覚が出てきた」と評価もしている。

 得点源だったFW大前元紀(27)が大宮に移籍して回ってきたエースナンバーだが、白崎は「自分は、自分らしい10番にできればいい」と話す。人を生かし、自分でも状況を打開できるプレースタイルで、チームとともに階段を駆け上がる決意だ。【保坂恭子】