清水エスパルスとジュビロ磐田。4年ぶりに2チームがそろったJ1が今日25日、開幕する。清水はホームでヴィッセル神戸と、磐田はアウェーでセレッソ大阪と対する。シーズンを占う開幕試合を前に24日、清水の小林伸二監督(56)は、J1舞台でも攻撃を重視した「シン・エスパルス」を強調した。

 小林監督が、安堵(あんど)の表情を見せた。前夜は、不安から寝付きが悪かったというが、清水三保グラウンドで行った非公開練習後に言った。「大丈夫かなと心配だったけど、今日の練習を見たら、やれると思った」。

 大分、山形、徳島をJ1昇格に導いた「昇格請負人」は、清水でも1年でのJ1復帰を成し遂げた。だが、山形、徳島ではJ2降格も経験しており、今季J1で結果を残せるか否かで真価が問われる。それは当然自覚し、「(清水を)必ず伸びるチームにしないといけない年。やりますよ」と言葉に力を込めた。

 そのために、指揮官は考え方を変えていた。「自分の経験では、守備先行で(チームを)作ったのを清水では『攻撃も(重要)』と思っている。去年に得たものをJ1になっても大事にしたい。新しいエスパルスを作りたい」。開幕試合の神戸戦でもFW白崎凌兵(23)やFW金子翔太(21)ら若手を多く起用する意向だ。「まずは積極的に、楽しくやるということ。若いから元気よく、思い切りやらせたい」。

 サポーターもシン・エスパ誕生を心待ちにしている。会場のアイスタは、SS席、S席、A席のチケットが完売するなどし、約1万7000人の来場が見込まれている。「楽しく進んできた。結果が出れば、もっと楽しくなる」と小林監督。苦しかった昨季を支えてくれたサポーターも楽しませるべく、15年5月30日川崎F戦以来637日ぶりのJ1ホーム勝利を目指す。【保坂恭子】