ベガルタ仙台の3人の直樹が、今日25日のホームでの開幕戦(対北海道コンサドーレ札幌)勝利を誓った。チームは24日、仙台市内でクロスプレーの練習など、最終調整を約1時間行った。1トップでの開幕スタメンが濃厚のFW石原直樹(32)は、昨季までJ2の対戦相手に実力差を見せつける勝利と、自らのゴールを約束した。同じくスタメンが濃厚の生え抜きベテランMF菅井直樹(32)と、守備陣のリーダーDF石川直樹(31)も、開幕勝利へ向け気合が入っている。

 戦歴の違いを、見せつける。開幕を前日に控え、石原は「しっかり勝ち点3を取りたい。(サポーターには)J1とJ2の差を感じ取ってもらえるような戦いを見せたい」とキッパリ言い切った。

 攻撃の柱が動じるわけにはいかない。新布陣「3-4-3」を、広島や浦和で経験してきた。キャンプ中、新布陣に取り組む選手たちに、経験をもとに伝授してきた。石原は「うるさいなと思われているかもしれないが、一応経験してきた。チームのために、自分のために言うようにしている」。連係面をスムーズにすることが、勝利と自らのゴールにつながる。

 石原の指導について、FW西村拓真(20)は「自分の成長材料になりました。盗めるものは盗みたい」と話す。ゴール前での果敢な飛び込みを武器とするが、1トップでプレーする際には「1トップだけで動きすぎず、シャドーの動きを見ろ」と注意されたという。渡辺晋監督(43)は「このシステムの特徴を熟知している。経験値が高い。チームに融合させてくれている」と石原をたたえた。

 石原は「自分らしいプレーで、ゴールを見せたい」と予告した。泥臭さを信条に、J1通算47得点を挙げてきた。練習でもクロスボールに対して、足をいっぱいに伸ばしてゴールに結びつけようとする。「(開幕戦は)どこのチームもいいスタートを切りたいと思っている。重要な1試合になる」と意気込んだ。

 菅井と石川直も気合十分だ。仙台一筋15年の菅井は、J2時代の09年の札幌との開幕戦で得点を決めて勝利に貢献。当時を振り返り、「飛び降りただけ」。チーム初ゴールの喜びを分かち合うために、フェンスを跳び越えてサポーターの前に駆け寄った。記者から今日の試合で再現を希望されると、「それよりもチームの勝利が優先。大勢の仙台のサポーターの前で、やれることは心強い」と語った。

 石川直は10年に主将として札幌でMF内村圭宏(32)らとプレー。「知っている選手もいるので、情報を引き出せたら」と笑った。昨季仙台に所属したFW金園英学(28)とMFキム・ミンテ(23)と相まみえる可能性がある。「洗礼を浴びせたい。ゾノ(金園)とミンテの良さはわかっている。そういったところを消したい」と自信を見せた。【秋吉裕介】