J2湘南ベルマーレが25日、神奈川県平塚市内で、26日の水戸ホーリーホックとのJ2開幕戦(Ksスタ)に向けた最終調整を行った。

 この日は、セットプレーの攻守の確認などを入念に行った。曹貴裁監督(48)は、「新しく来た選手も、残って長くやっている選手も、みんな競争意識を持ってやってくれた。今年は0からスタートするつもりで、やらないといけない。0が1になるような試合にしたいし、いい準備をしてくれた」と手応えを口にした。

 新戦力では、千葉・市船橋高から加入したDF杉岡大暉(18)と、愛媛から獲得したFW表原玄太(20)が、この日の練習でも躍動感のある動きを見せ、練習後も2人で並んで走り込むなど、開幕への意欲をにじませた。曹監督は「早くチームになじんでくれて、既存の選手とのコンビネーションも、まだまだのところはありますけど、いいものも見えたところがある」と期待を寄せた。杉岡、表原ともに、水戸戦での開幕スタメンなるか、期待がかかる。

 昨季、あと1歩でJ1残留を逃し、曹監督は今季、「共走」という造語をテーマに掲げ、その中に3つの意味を込めて、1月16日の始動日から選手に要求してきた。

 (1)みんなで走っていく

 (2)勝つために、いい競争をする。日本の他のクラブ、社会に対して自分たちがやれること、表現できることで勝負する

 (3)今日、走る。今できることは今やる

 曹監督は「チームは誰1人、関わる気持ちを落としてはいけないし、出た選手はチームの代表として戦わなければいけない。それは30年前も、100年前も、100年後も、おそらく大事になってくること」と強調した。指揮官の言葉どおり、主力組も控え組も、約2時間の練習中は、1プレー、1プレーに気持ちを込めてぶつかりあい、ポジションを争いながらも、意見を積極的に交わし、気持ちを1つに切磋琢磨(せっさたくま)した。主力組が練習を上がった後、居残りでシュート練習をした選手も1本、1本に躍動感と強い思いがにじみ、曹監督が掲げた「共走」が貫かれたチームの雰囲気は上々だ。

 この日はJ1開幕当日ながら、練習場には約100人のファンが足を運んだ。1年でのJ1復帰へ…ファンの期待を背に、選手は水戸戦に向かった。【村上幸将】